アルムナイ採用とは?カムバック採用との違い・問題点・導入企業の公開条件を解説

この記事を読むと分かること
「採用費は上がるのに、応募が増えない」。「辞めたあの人が戻ってきてくれたら助かる」。アルムナイ採用を調べ始めるきっかけは、このような状況から生まれます。
この記事は、中小〜中堅企業の人事責任者と経営者に向けて書いています。再入社に応募する方向けの内容は扱っていません。
アルムナイ採用とは、自社を退職した元社員と関係を保ち、再入社や業務委託につなげる採用手法です。社員50人の会社でも、制度を作らずに始められます。パーソル総合研究所が2019年に5年以内に再入社した300人を調べた調査では、公式の制度を使った人は4.0%、人づてや縁故など非公式の経路が75.7%でした。
欠員を今すぐ埋めたい場合は、採用代行おすすめ17選で採用業務を任せられる会社を紹介しています。

1. アルムナイ採用とは

アルムナイ採用とは、自社を退職した元社員と関係を保ち、再入社や業務委託につなげる採用手法です。アルムナイは英語の alumni で、卒業生や同窓生を意味します。企業の人事では、自社を退職した人を指す言葉として使われています。
アルムナイ採用の中身は、次の3つに整理できます。
- 関係を保つ:退職時に連絡先を確認し、名簿やコミュニティで近況をやり取りする
- 声をかける:欠員や新しい仕事が出たときに、元社員に求める仕事を伝える
- 迎え入れる:選考を行い、今のスキルと仕事に合わせて処遇を決める
言葉の意味とOB・出戻りとの違い
アルムナイとOB・OGは、どちらも元社員を指す言葉です。アルムナイは、転職や起業で辞めた人も含めて、辞めたあとも会社と関係が続く相手という意味を込めて使われます。出戻りは、元社員が再び入社するという行動を指す言葉です。
「アラムナイ」という表記もありますが、どちらも alumni をカタカナにしたもので、指す内容は同じです。
なぜ今注目されているのか
アルムナイ採用は、社風と仕事を知っている元社員に、求人を出さずに直接声をかけられる点で、採用に困る会社の選択肢になっています。元の会社に戻る人も一定数いて、エン転職が2024年に実施した調査(有効回答4,353人)では、一度退職した会社に戻った経験がある人は9%でした。
同じ調査で、戻った経験がない人に元の会社に戻りたいかを聞くと、「思う」は13%、「思わない」は61%でした。関係が良好だった元社員に絞って声をかけるのが現実的です。
どのくらいの企業が導入しているのか
公式な再入社制度を持つ企業は8.6%で、従業員5,000人以上の企業では20.2%でした。パーソル総合研究所が2019年12月に離職者2,000人と再入社者300人に実施した調査の数字です(出典 パーソル総合研究所 2020年5月発表)。調査から年数が経っているため、今の割合は変わっている可能性があります。2019年12月の時点では規模の大きい会社ほど制度を持つ割合が高く、再入社そのものは制度がなくても起きていました。
2. 導入企業はどんな条件で運用しているか
在籍年数の条件を公開している会社の下限は1〜3年でした。離職期間の上限を明記していたのは、育児や介護などで辞めた人向けの別制度です。編集部が各社の採用ページとプレスリリースを確認した範囲の情報です。
アルムナイ採用を導入している企業
アルムナイ採用の制度を公開している企業には、トヨタ自動車のような大手メーカーから、役職員105名の宇和島信用金庫まであります。編集部が公式情報で確認した企業の例は次のとおりです。
| 業種 | 企業 |
|---|---|
| メーカー | トヨタ自動車、コマツ、パナソニック、キヤノン、HOYA、キオクシア、SWCC、富士フイルム和光純薬 |
| 医薬・ヘルスケア関連 | 第一三共、マルホ、EPファーマライン |
| IT・通信 | NTTデータ、アイティフォー、ミツエーリンクス、J:COM |
| 人材 | ディップ、ヒューマンリソシア |
| 卸・福祉・金融 | PALTAC、ヤマシタ、宇和島信用金庫 |
在籍年数と離職期間の条件
具体的な条件を公開している会社の設定は、次の表のとおりです。パナソニックとJ:COMの育児・介護向けの制度は、アルムナイ採用とは別の制度です。「―」は今回確認した公式ページに記載がなかった項目です。
| 企業 | 対象と対象外 | 在籍年数 | 離職期間 |
|---|---|---|---|
| ディップ | 元社員 | 条件なし | 条件なし |
| アイティフォー | やむを得ない退職、 キャリアアップ退職 | 不問 | 不問 |
| キオクシア | 自己都合で退職した正規従業員。 定年退職者は対象外 | ― | 問わない |
| 富士フイルム和光純薬 | 当社で働いた経験を持つ方 | 時期にかかわらず | 年数にかかわらず |
| HOYA | 個人の事情、キャリアアップ。 在職中の勤務状態が良好 | 1年以上 | ― |
| キヤノン | 転職、結婚、出産、育児、介護など | 1年以上 | ― |
| J:COM | 総合職、CC職、業務職 | 1年以上 | ― |
| EPファーマライン | 転職、留学、育児、介護など | 1年以上 | ― |
| 第一三共 | 家庭事情、転職、留学、契約満了。 懲戒解雇などは対象外 | 2年以上 | ― |
| マルホ | 自己都合を含む | 3年以上 | ― |
| 宇和島信用金庫 | 自己都合。定年退職前に退職した人 | 原則3年以上 | 定めなし |
| PALTAC | 早期退職制度の利用者と 懲戒退職者は対象外 | ― | ― |
| パナソニック(社員再就職制度) | 出産、育児、介護、配偶者の転勤 | 3年以上 | 3年以内または5年以内 |
| J:COM(ウェルカムバック) | 育児、介護など。退職時に登録 | ― | 5年以内 |
対象にしない退職者
対象から外す人を明記している会社もあります。PALTACは早期退職制度の利用者と懲戒退職者を対象外とし、第一三共は懲戒解雇などで退職した人を対象外としています。自社の条件を作るときは、対象者の条件より先に、対象にしない人の条件を決めておくと、応募が来たときに判断しやすくなります。

3. カムバック採用・リファラル採用との違い
アルムナイ採用・ジョブリターン・リファラル採用の違いは対象者です。アルムナイ採用は元社員全体、ジョブリターンは育児・介護など特定の事情で辞めた人、リファラル採用は社員の知人です。カムバック採用は対象者が元社員である点でアルムナイ採用と同じで、再入社を前提にするかどうかが違います。
| 手法 | 対象者 | 退職理由の条件 | 人事がやること |
|---|---|---|---|
| アルムナイ採用 | 元社員全体 | 会社が決める | 名簿やコミュニティで 関係を保つ |
| カムバック採用 | 元社員 | 会社により異なる | 再入社の窓口と 選考の手順を整える |
| ジョブリターン | 育児、介護、配偶者の転勤などで辞めた元社員 | 事情を限定する | 退職時の登録と 復職の手順を整える |
| リファラル採用 | 社員の知人(元社員でなくてよい) | 関係なし | 社員が紹介する 仕組みを作る |
アルムナイ採用は、再入社に限らず業務委託や取引先としての関係も含めて考える会社があります。カムバック採用は、戻ることを前提に窓口を設ける考え方です。実際の制度名は会社によって異なり、2つを同じ意味で使う会社もあります。コマツは「アルムナイ採用」を制度名にし、宇和島信用金庫は同じ趣旨の制度を「カムバック採用制度」と呼んでいます。
リファラル採用は、社員の知人を紹介してもらう手法で、元社員である必要はありません。元社員が知人を紹介してくれる場合は、アルムナイとの関係がリファラル採用につながります。在籍していない元社員に紹介の報酬を払う場合は、職業安定法に触れないか社会保険労務士に確認します。
4. アルムナイ採用の費用の仕組み

自社の名簿と連絡だけなら追加の費用はかからず、支援サービスは初期・月額0円の成果報酬型から月額14,000円(税別)〜の会員管理まで分かれます。編集部が確認した範囲で金額が分かるのはAlumyとアルムネットで、ほかのサービスは見積もりを取って比較します。
| 進め方 | 費用の形 | 公開されている料金の例 |
|---|---|---|
| 自社運用 | 担当者の手間のみ | 追加費用なし (表計算ソフトとメールで運用する場合) |
| 成果報酬型のサービス | 再入社が決まったときに支払う | Alumy:初期費用・月額費用0円、決定時に成果報酬 |
| 会員管理のサービス | 利用料を支払う | アルムネット:月額14,000円(税別)〜 (2023年5月時点・登録会員100名・ 年間契約の最小構成) |
| 専用サービス・伴走型 | 利用料や支援費を支払う | お問い合わせでご確認ください |
自社で元社員に直接連絡する場合は、紹介手数料や掲載料が発生しないため、人材紹介や求人広告と比べて費用を抑えやすくなります。ただし、名簿の更新や連絡は担当者の手間として残ります。費用を比べるときは、担当者が月に使える時間も一緒に確認します。
5. アルムナイ採用のメリット
アルムナイ採用のメリットは、自社を知る人材を早く戦力にでき、採用と育成の費用を抑えられることです。パーソル総合研究所の調査では、再入社者のメリットとして「仕事内容が事前にイメージできた」が42.7%、「組織内のキーパーソンが理解できている」が37.7%でした。
- 入社後すぐに仕事を任せやすい。社風と業務の進め方を知っているため、研修の範囲を絞れます。
- 入社前のイメージとのずれが起きにくい。会社の良い点と課題の両方を知ったうえで戻るためです。
- 自社で連絡すれば紹介手数料と広告費を抑えられる。元社員に直接連絡するため、人材紹介や求人広告を使わずに採用できます。
- 外で得た知見が社内に入る。他社で身につけたスキルや取引先との経験を、自社の仕事で使ってもらえます。
- 再入社以外の協力も得られる。業務委託、取引先の紹介、人材の紹介につながる場合があります。
- 辞めたあとも戻れる会社と伝わる。退職者を大切にする姿勢は、在籍する社員と採用候補者にも伝わります。
6. アルムナイ採用のデメリットと注意点
アルムナイ採用の主なデメリットは、既存社員の不満と処遇の難しさです。エン転職の調査でも、元の会社に戻った人から「出戻りを良く思わない人に嫌がらせを受けた」「知っている人が残っておらず空気感が掴めなかった」という声が出ています。次の4点には、始める前に対策を決めておくことが大事です。
- 既存社員が不公平に感じることがある。処遇の決め方を文書にし、配属先の上司とメンバーに事前に説明します。
- 社員が辞めやすくなると心配される。「戻れるから辞める」という誤解を防ぐため、選考があり再入社を約束する制度ではないことを伝えます。EPファーマラインは「再入社を保障する制度ではありません」と明記しています。
- 在籍時と今の仕事が合わないことがある。退職後に業務や社内の仕組みが変わっている前提で、選考で今のスキルを見ます。
- 退職者の情報の扱いに注意が必要になる。取得時の利用目的の範囲を確かめ、範囲を超える場合は本人の同意を得ます。
戻った社員の給与や役職はどう決めるか
給与と役職は、退職時の待遇ではなく、再入社後に担う仕事と今のスキルで決めるのがおすすめです。中途採用の基準にそろえると、既存社員にも説明しやすくなります。ヒューマンリソシアは退職後の経験と現在のスキルなどから処遇を決定するとし、ディップは経験・スキル・現職の待遇で見直すとしています。PALTACは職務内容などで個別に決定します。
一方で、宇和島信用金庫は「原則として、退職時の処遇に準ずる」と定めています。少人数で仕事の内容が大きく変わらない場合は、退職時を基準にする方法も選べます。どちらの場合も、社内の同じ等級の社員と比べて説明できる金額にしておくと、既存社員の不満を防げます。
再入社時の給与や役職が離職時より下がると、戻った本人の不満にもつながります。パーソル総合研究所の調査では、再入社後の満足度は総じて高まる一方で、給与・報酬・評価への満足度だけは離職時より微減しました。従業員1,000人以上の企業では、再入社で「年収低下」が32.9%、「職位低下」が17.7%でした。選考の早い段階で、処遇の決め方を本人に説明しておきます。
退職者の名簿を使うときの注意点
退職者の名簿を再入社の案内に使うときは、在職中に取得した個人情報の利用目的の範囲内かを確かめます。個人情報保護法は、第17条で利用目的の特定を定め、第18条で利用目的の達成に必要な範囲を超えて扱う場合は、あらかじめ本人の同意を得ることを定めています。範囲を超える場合は、案内の前に本人の同意を得ます。
これから辞める社員には、案内に使うことを明示した登録フォームで連絡先を出してもらう方法があります。少人数の名簿でも個人情報保護法の対象になるため、名簿は会社が管理し、個人の端末やアカウントに置かないようにします。連絡を止めてほしいと言われた場合は、案内の対象から外します。
再入社も新しい労働契約のため、賃金などの労働条件は労働基準法第15条にもとづいて明示します。退職金と試用期間の扱いは、再入社の前に就業規則や雇用契約で決めておきます。有給休暇の日数は同法第39条の継続勤務の年数で決まるため、前の勤続を通算するかは社会保険労務士に確認します。パナソニックの社員再就職制度は、再就職後に退職前の勤続を引き継がないと公開しています。

7. アルムナイ採用が向いている会社・向かない会社

アルムナイ採用が向いているのは、もう一度一緒に働きたい元社員を挙げられ、連絡役を担う人がいる会社です。向かないのは、半年以内に欠員を埋めたい会社と、辞めた人の多くが職場への不満を理由にしている会社です。次の条件は編集部が整理した目安です。自社の状況に当てはまるかどうかが、判断の材料になります。
アルムナイ採用が向いている会社
- もう一度一緒に働きたい元社員を3人以上挙げられる。連絡先が分かる相手がいれば、制度がなくても始められます。
- 育成に1年以上かかる仕事で採用に困っている。業務を知る人が戻ると、育成の期間を短くできます。
- 経営者か人事が年1〜2回の連絡を担当できる。連絡役が決まっていれば、関係が途切れにくくなります。
- 業務委託や短時間の仕事を任せられる。正社員以外の関わり方があると、元社員が声に応じやすくなります。
アルムナイ採用が向かない会社
半年以内に欠員を埋めたい会社と、辞めた人の多くが職場への不満を理由にしている会社には向きません。
- 半年以内に欠員を埋めたい。人手が足りない状況は、採用代行や人材紹介で先に解決します。
- 退職理由の多くが職場への不満である。戻る理由がない状態のため、職場の課題を先に改善します。
- 処遇の決め方を社内に説明できない。既存社員の不満につながるため、中途採用の基準を先に整えます。
8. アルムナイ採用の始め方
アルムナイ採用の始め方は、社員50人以下の自社運用から、300人以上の専用サービスや伴走型まで、社員の人数と退職者の人数によって選びます。専用のサービスを検討する目安は、名簿の更新と連絡を担当者の手で回せなくなったときです。次の表の人数は、編集部が整理した目安で、公的な基準ではありません。
| 会社の状況 | 始め方 | 向く進め方 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 社員50人以下で、退職者が年に数人 | 会社の名簿として管理し、経営者か人事1人が年1〜2回連絡する | 自社運用 | 追加費用なし |
| 社員51〜299人で、人事が兼任 | 登録フォームで名簿を作り、連絡を定期にする | 自社運用、会員管理、成果報酬型 | 追加費用なし、 またはサービスの利用料 (4章) |
| 社員300人以上で、退職者が年に数十人 | 名簿の更新と企画を外に相談する | 専用サービス、伴走型 | お問い合わせでご確認ください |
社員50人の会社は制度なしで始められるか
社員50人の会社でも、制度を作らずに始められます。パーソル総合研究所が2019年に5年以内に再入社した300人を調べた調査では、公式の制度を使った人は4.0%、人づてや縁故など非公式の経路が75.7%でした。エン転職の調査でも、出戻りのきっかけで最も多かったのは「在籍時の上司に誘われた」でした。
規程や専用のシステムを用意する前に、経営者や上司が連絡できる元社員を確かめるのが近道です。
退職者が年に5人ほどの会社は何から始めるか
最初にやることは、直近3年に退職した人の連絡先が、取得したときの利用目的の範囲で案内に使えるかを調べ、連絡してよい相手の名簿を作ることです。手順は次の5つです。
- 利用目的を確かめる。在職中に取得した連絡先が案内に使える範囲かを調べ、範囲を超える場合は本人の同意を得る
- 名簿を作る。連絡してよい人の氏名、連絡先、在籍時の仕事を記入する
- 退職時の言葉を決める。これから辞める社員に、再入社は選考で決まることと、案内を送ってよいかを面談で伝える
- 年1〜2回連絡する。会社の近況を伝え、相手の近況を聞く
- 欠員が出たら声をかける。求人を出す前に、仕事の内容と条件を伝えて面談する
再入社の選考は、通常の中途採用と同じ手順にします。トヨタ自動車、コマツ、ヒューマンリソシアも、選考は通常のキャリア採用と同様としています。元社員だけ選考を省略すると、既存社員の不満につながる場合があります。
社員300人以上の会社は仕組みが必要か
社員300人以上で退職者が年に数十人いる会社は、編集部の目安では、登録制の名簿と定期の連絡の仕組みを検討する段階です。第一三共やHOYAは退職時や任意の登録で名簿を作り、キオクシアは専用サイトに登録してもらい、案内を送っています。人事の手で更新できる人数を超えたら、9章の支援サービスを検討します。
9. 支援サービスの種類と自社運用との違い
支援サービスは、編集部が調べた範囲では4種類に分けられます。専用サービス・採用管理の機能・会員管理・伴走型で、自社運用と違って名簿の更新と人を集める企画を外に任せられます。専用サービスから会員管理までは公式サイトで内容を公開しているサービスで、伴走型はジツゾウの取材先です。
| 種類 | できること | サービスの例 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| 専用サービス | 名簿の管理、情報発信、やり取り、運用の支援 | YELLoop(マイナビ)、Alumy(インディードリクルートパートナーズ) | 退職者が年に数十人いて、 名簿の更新を人事の手で 回せない |
| 採用管理の機能 | 元社員を辞退者や候補者と一緒に管理する | MyTalent CRM(TalentX) | 採用管理システムを使っていて、 元社員を同じ画面で管理したい |
| 会員管理 | 会員名簿、メール、会員サイト | アルムネット(イーストゲート) | 表計算ソフトの名簿から、 会員サイトとメールの運用に 移したい |
| 伴走型 | コミュニティの設計、集客、イベントと発信の運営 | アルムナス | 立ち上げたが人が集まらない、 または企画から相談したい |
導入事例では、ニッケがMyTalent CRMでアルムナイを最初の対象にした取り組みを公開しています(公式の導入事例)。関西電力はYELLoopを使い、担当者は運用の提案を受けられる点を評価しています(公式の導入事例)。
ジツゾウが取材したアルムナスは、アルムナイのコミュニティは立ち上げても人が集まらないことが多いと話しています。退職者が参加したくなる企画を設計することが必要で、同社の支援はイベントが四半期か半年に1回、到達点は会社が自分たちで運営できる状態です。
サービスは次の3点で比べます。
- 費用の発生するタイミング:月額か、再入社が決まったときか
- 運用の担当範囲:ツールの提供だけか、発信やイベントの企画まで支援するか
- 退職者のデータの持ち方:解約時に名簿を自社に戻せるか、サービス側のデータが消去されるか
10. アルムナイ採用に関するよくある質問
定年退職した人もアルムナイ採用の対象になりますか?
キオクシアは定年退職者を対象外とし、宇和島信用金庫は定年退職前に退職した人を対象にしています。定年後の再雇用制度がある会社は、アルムナイ採用と別の制度として整理します。年齢を条件にする場合は、募集と採用の年齢制限の決まりに触れないか社会保険労務士に確認します。
離職から何年以内なら再入社できますか?
ディップ、アイティフォー、キオクシアなどは、離職からの年数を問わないと公開しています。年数の上限は自社の制度で決めます。育児や介護で辞めた人向けの別制度には、3年以内や5年以内の上限があります。
業務委託や副業で戻ってもらうこともできますか?
業務委託や副業でも関わってもらえます。元の部署で上司の指示のもとで働く場合は、契約の名前が業務委託でも労働者として扱われる可能性があります。ヤマシタは、中途採用のほかに業務委託や副業の情報も提供する仕組みを2023年に公開しています。正社員に戻る決断を迷っている元社員には、短時間の仕事から相談する方法が使えます。仕事の進め方は契約前に決めておきます。
入社祝い金は用意したほうがいいですか?
祝い金がなくても始められ、用意する場合は通常の中途採用の祝い金と金額の考え方をそろえます。ヤマシタは2023年12月から2024年3月までの期間に、最大50万円の入社祝い金を用意しました。既存社員から見ると元社員だけの優遇に映ることがあります。
元社員への連絡はAIに任せられますか?
案内文の叩き台はAIに任せられますが、声をかける判断と本人とのやり取りは人が行います。再入社のきっかけで最も多いのは在籍時の上司からの誘いで、相手との関係が結果を左右します。近況報告の文章作成にAIを使う場合も、名簿の個人情報は外部のAIサービスに入力せず、声をかける相手と内容は経営者か人事が決めます。
11. まとめ
アルムナイ採用は、自社を退職した元社員と関係を保ち、再入社や業務委託につなげる採用手法です。5年以内に再入社した300人を調べた調査では75.7%が非公式な経路で戻っており、社員50人の会社でも制度なしで始められます。
向いているのは、もう一度一緒に働きたい元社員を挙げられ、連絡役を担う人がいる会社です。まずは直近3年に退職した人の連絡先が案内に使えるかを調べ、連絡してよい相手の名簿を作りましょう。欠員を今すぐ埋めたい場合は、採用代行おすすめ17選もあわせて確認してください。
