広告、展示会、アウトバウンド。集客のチャネルはいくつかあるが、その中に「紹介」がある。紹介は、顧客獲得の中で、最も受注率の高いチャネルの1つだ。しかし、既存顧客やパートナーからの紹介はあるが、誰が誰を紹介したかを追えていない。紹介プログラムはあるが、紹介した後どうなったかを紹介者に返せていない。報酬の計算と振込が毎月重く、代理店は数十社ほどで止まっている。紹介というチャネルは持っているのに、仕組みになっていないから伸びない。株式会社AREYOに来る相談は、上記の課題感が多い。2026年10月20日、代表の田中悠さんにオンラインで話を聞いた。
お話を聞いた人
田中 悠株式会社AREYO 代表取締役CEO
キヤノンで一眼レフカメラのグローバルマーケティングを担当した後、プレイドで営業・カスタマーサクセスを経験。バニッシュ・スタンダードでは執行役員としてビジネス全体を統括した。SaaSスタートアップで10年以上、リード獲得の現場に携わった経験から、2025年4月に株式会社AREYOを設立し、リファラルマーケティングSaaS「Jolt」を開発・提供している。
株式会社AREYOとは(事業内容)
株式会社AREYOの事業は、BtoB向けリファラルマーケティングSaaS「Jolt」の企画・開発・運営だ。BtoB企業の紹介プログラムの運用を一元化し、紹介契約の締結、紹介リンクの発行、紹介の管理、報酬の設計から報酬の支払いまでを自動化する。「紹介の力で、ビジネスを加速させる」ためのプロダクトである。
01紹介営業を仕組み化するSaaS「Jolt」
株式会社AREYOは、リファラルマーケティングSaaS「Jolt」を提供する会社です。リファラルマーケティングとは、既存の顧客やビジネスパートナーから見込み顧客を紹介してもらい、新規顧客を獲得する、紹介を活用したリード獲得の手法のこと。田中さんはこれを「紹介営業を仕組み化するSaaS」とも言い換えます。「リファラル」だけだと採用のほうを思い浮かべる人が多いので、「紹介による営業」「紹介によるリード獲得」と合わせて伝えているそうです。2026年10月には、EC・スクール・サロンなどBtoC向けの友だち紹介プログラムを自動化する「Jolt Me」も提供を始めました。この記事ではBtoB向けのJoltを中心に紹介します。
02紹介契約の締結から報酬の支払いまでを、ひとつの仕組みで
Joltが何をするサービスかは、初めて聞く人には伝わりにくいところがあります。市場にまだ同じ領域のプレイヤーが少ないからです。代理店契約書の締結、誰が誰を紹介してくれたかという紹介の管理、報酬の設計から報酬の支払いまでを自動化できる、と説明したときに伝わることが多いそうです。「そこまでできるんですか」という反応が返ってくる。紹介を増やすために本当に重いのは、紹介そのものではなく、その後ろの運用です。Joltは、紹介の仕組みの中で、契約の締結、紹介の管理、報酬の計算と支払いという後工程を自動化します。
03SaaS、人材、コミュニティ、営業支援会社に合う
Joltが合っているのは、SaaS、人材、コミュニティ、営業支援会社です。SaaSは田中さんの経歴から当初から狙っていた領域で、ニーズがあることを確かめてきました。コミュニティは、当初は想定していなかったものの、会員が会員を呼んでくる動きをJoltで強化できると分かった領域です。人材系では、フリーランス・プロ人材のマッチングを運営する会社が、登録しているフリーランスを紹介パートナーにして、人材と企業案件の紹介を増やし、成果が出ています。個人が個人を呼ぶ構造がある会社に、Joltは合います。
この考え方で支援した会社の記録は 支援事例1 に。
株式会社AREYOの特徴・強み
株式会社AREYOの強みは6つ。法人の代理店だけでなく個人を紹介パートナーにできること、紹介リンクと紹介コードで紹介から成約までを追えること、紹介契約の締結から報酬の支払いまでを自動化すること、紹介パートナーの母数を増やして成果を出す人に会う考え方、2階層の報酬設計でパートナーがパートナーを呼ぶこと、商談の要約がLINEでパートナーに自動で届くことだ。
01顧客も社員もフリーランスも、紹介パートナーになる
株式会社AREYOのJoltは、法人の代理店だけでなく、顧問、既存顧客、社員、登録フリーランスなど、会社の周りにいる個人を紹介パートナーにできる。
代理店管理のツールは、法人の代理店を管理するために作られています。株式会社AREYOのJoltは、法人の代理店だけでなく、個人を紹介パートナーにできることが大きな特徴です。顧問のような専門家だけではなく、既存のお客さん、社員、人材会社なら登録しているフリーランス。会社の周りにいる個人からの紹介を活性化させます。事例で紹介する人材系の会社は、フリーランスとの接点のたびに紹介プログラムを案内し、Joltへの登録を促すことで、紹介パートナーを増やしていきました。
02紹介リンクと紹介コードで、紹介から成約までを追える
株式会社AREYOのJoltは、パートナーごとの紹介リンクと紹介コードで、誰の紹介がどこまで進んだかを追える。
紹介がしやすいか、紹介が広がるか。株式会社AREYOはここに力を入れています。パートナーごとに紹介リンクと紹介コードを発行し、そこから入ってきた紹介がコンバージョンに至るまでを追跡する。誰が誰を紹介したかが記録として残るので、スプレッドシートで名前を突き合わせる必要がなくなります。田中さんはこの追跡を「おそらく唯一無二で特徴的なところ」と話します。
03紹介契約の締結から報酬の支払いまでを、自動化する
株式会社AREYOのJoltは、紹介契約の締結、紹介の管理、報酬の計算と支払いまでを自動化するので、個人のパートナーが増えても手が回る。
個人を紹介パートナーにすると、人数が増えます。増えれば、契約書を交わし、紹介を管理し、報酬を計算して支払う手が回らなくなる。Joltが契約から報酬の支払いまでを全部ひとつの仕組みにしている理由はそこにあります。ここまでやっているサービスは他にない、と田中さんは見ています。比較されることのある代理店管理ツールは、大手代理店や多数の営業担当者の管理を想定した作りで、エンタープライズ企業向けのものが多いそうです。Joltは中堅の代理店や個人パートナーを含む、中小企業寄りの紹介ネットワークを広げる用途に向いています。
04紹介パートナー数十社を数百社にして、大きな成果を出す人に会う
株式会社AREYOは、紹介は量が勝つと考え、紹介パートナーの母数を増やして、たまにホームランを打てる人に会いに行くことを勧めている。
商談で「代理店はある程度います」と言われて数を聞くと、数十社ほどという答えが多いそうです。その中で動いているのは数社なので、業務はそこまで大変ではない、と続きます。もっと増やしたいかと聞くと、増やしたい。では数百社にすることを考えているかと聞くと、そこまでは考えていない。後工程が大変すぎるからです。結果、動いてくれている数社とのやりとりで止まっている会社が多い。
株式会社AREYOの考え方は違います。紹介は量が勝つ。全員がヒットを打つのではなく、たまにホームランを打てる人が現れる。その人にどれだけ会えるかで紹介の量が決まるので、母数を増やして捕まえに行く行為を合わせてやらないと、紹介は増えない。誰がその人かは事前には分かりません。始めてから見つかります。見つけた後は、ヒットの人を二塁打・三塁打に、ホームランの人がホームランを打ち続けられるように促していく。そのための後工程を、Joltが自動化します。
052階層の報酬設計で、パートナーがパートナーを呼ぶ
株式会社AREYOのJoltでは、紹介した人が、その人が連れてきたパートナーの成果でも報われ、パートナーが増えるほど、そのパートナーからの紹介も増える。
紹介プログラムがすでにある会社でも、Joltを入れるとさらに踏み込んだインセンティブ設計ができます。ひとつは、成果を出すほど報酬率を上げていく設計。もうひとつが2階層の報酬設計です。パートナーAが別のパートナーBを紹介し、Bの紹介が成果になったとき、Bに報酬を払うのは従来どおり。加えて、Bを連れてきたAにも報酬を払う。Aは自分が動かなくても報酬を得られるので、自分より紹介してくれそうな人を連れてくるようになる。パートナーが増えつつ、そのパートナーからの紹介が増える。株式会社AREYOは、既存の設計に加えてこうした設計を提案しています。パートナーが動き続ける理由はインセンティブが中心ですが、コミュニティやサービスが好きだから別の人に伝えたい、という理由も効いています。
06商談の要約が、LINEでパートナーに自動で届く
株式会社AREYOのJoltは、紹介した後の商談の内容を要約し、LINEやメールでパートナーに自動でフィードバックする。
田中さんが人材系の会社から聞く相談には、共通点があります。紹介プログラムはあるのに、パートナーを集めることを徹底できていない。紹介をもらった後どうなったかをパートナーに返せていない。誰が動いているかを測っていない。紹介した後がパートナーに見えないことが、紹介が続かない理由の一つです。Joltは、商談の内容を要約してパートナーに自動で返します。パートナー側はメールだけでなくLINEでも受け取れる。今まで手で連絡していた行為がなくなり、したかったけれどできなかったフィードバックができるようになった。導入した会社が運用面で評価している点です。