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オフショア開発とは?頼める範囲・ニアショアとの違い・向く案件と向かない案件を解説

更新日 2026年10月10日
オフショア開発とは?頼める範囲・ニアショアとの違い・向く案件と向かない案件を解説

「派遣やアルバイトで開発の人手を補ってきたが、定着せず、人手が足りないままになっている」。「オフショア開発は費用を抑えられると聞くが、円滑に進めるのは難しいとも聞く」。オフショア開発を調べ始めるきっかけは、このような状況から生まれます。

この記事は、システムやアプリの開発を外に頼みたい会社の、経営者や開発責任者の方に向けて書いています。海外の開発会社でエンジニアとして働きたい方に向けた内容は扱っていません。

オフショア開発とは、システムやアプリの開発を、海外の開発会社や海外にある開発拠点のチームに委託して進める開発の方法です。簡単に言うと、海外にいる開発チームに自社の開発を頼む方法です。自社の案件に向くかどうかは、開発が続く期間と、作りたいものを文書で伝えられるかどうかが目安になります。この記事では、頼める開発と工程の範囲、ニアショア開発や国内の開発会社との違い、向いている案件を解説しています。

オフショア開発の会社を比べたい方は、オフショア開発おすすめ14選で各社の開発拠点、契約の形、導入事例を紹介しています。

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1. オフショア開発とは

オフショア開発とは、システムやアプリの開発業務を、海外の開発会社や海外にある開発拠点のチームに委託して進める開発の方法です。利用する目的は、国内では集めにくいエンジニアの確保と、開発費用の抑制の2つが中心です。

オフショア開発で頼める開発は、次の4つに整理できます。どの開発と工程まで対応するかは、開発会社によって分かれます。

  • Webシステムと業務システムの開発:社内で使う業務システムや、Webサービスなど
  • スマホアプリの開発:iPhoneとAndroidのアプリ
  • AIを使った機能の開発:自社のサービスにAIを組み込む開発など
  • テストと運用:リリース前のテスト、リリース後の運用と保守

オフショア開発の仕組み

オフショア開発は、頼む会社、開発会社の日本側の窓口、海外の開発チームの3者で進めます。編集部が公式サイトを確認した範囲では、開発会社の日本人のPM(プロジェクトの進行と納期を管理する担当者)や日本側の担当者が、頼む会社の窓口になると明記している開発会社が多く見られます。窓口を、日本語が話せるブリッジSEが担当する開発会社も見られました。

ブリッジSEは、頼む会社の要望を海外の開発チームに伝え、進み具合を日本語で報告する橋渡し役のエンジニアです。日本語で開発を進められると明記している開発会社は多くあります。

契約の形は、専属のチームを一定の期間確保するラボ型と、成果物の完成を約束する請負が代表的です。編集部が確認した範囲では、ラボ型を中心に提供する開発会社が多く、請負にも対応する開発会社があります。

オフショア開発の委託先の国

オフショア開発.com に2025年に寄せられた相談では、発注先の国はベトナムが最も多く、中国とインドが続きます(出典 オフショア開発白書(2025年版))。

編集部が公式サイトを確認したオフショア開発会社でも、ベトナムのハノイ、ホーチミン、ダナンに開発拠点を置く会社が多数です。フィリピン、バングラデシュ、ミャンマーに開発拠点を持つ会社もあります。国別の割合と、ベトナムに頼む会社が多い理由は、オフショア開発に関するよくある質問で解説しています。

「オフショア」という言葉の意味

オフショア(offshore)は、「岸から離れた」という意味の英語です。ビジネスでは、業務を海外に移すことを指す言葉として使われます。IT業界では、システム開発を海外に委託することをオフショア開発と呼びます。似た言葉のニアショア開発は、国内の地方都市にある開発会社に委託する方法です。

2. オフショア開発で頼める開発と工程の範囲

オフショア開発で頼めるのは、Webシステムやスマホアプリの実装とテストを中心に、要件定義からリリース後の運用と保守までの工程です。実装とテストは多くの開発会社が対応していますが、インフラの構築や画面のデザインは、開発会社によって分かれます。編集部がオフショア開発会社の公式サイトを確認した範囲で、開発と工程を整理しました。

多くの開発会社が対応している開発と工程

Webシステムとスマホアプリの開発は、要件定義から運用と保守まで、多くのオフショア開発会社が対応しています。

  • Webシステム、業務システム、スマホアプリの開発
  • 要件定義(作るものと必要な機能を決める工程)と設計
  • 実装(プログラムを書く工程)
  • テストと品質の確認
  • リリース後の運用と保守
  • AIを使った機能の開発

実装とテストに加えて、要件定義や設計から対応すると公式サイトに明記している開発会社が多く見られます。実装やテストの工程に絞って依頼できる開発会社もあります。

開発会社によって分かれる開発と工程

インフラの構築、画面のデザイン、古いシステムの作り直しは、対応する開発会社と対応していない開発会社に分かれます。任せたい開発が次の中にある場合は、最初の問い合わせで対応を確認すると、候補を絞りやすくなります。

  • サーバーやクラウドなど、インフラの構築
  • 古いシステムの作り直し(マイグレーション)
  • ECサイトの構築
  • 画面のデザイン(UI・UX)
  • 組み込みやIoTの開発
  • 24時間365日の運用と保守

要件定義や基本設計などの上流工程は、進め方が開発会社によって違います。日本側のチームが上流工程を担当し、海外の拠点が実装とテストを担当する進め方が一例です。頼む会社にPMがいることを前提に、エンジニアのチームを提供する開発会社もあります。社内に開発の進行を管理できる人がいるかどうかで、選ぶ開発会社が変わります。

頼んだ会社に残る作業

開発を任せたあとも、作りたいものと優先順位の整理、仕様の文書化、進み具合の確認、完成したものの確認は、頼んだ会社に残ります。4つの作業にまとめました。

頼んだ会社に残る4つの作業
  • 作りたいものと優先順位を整理します。どの機能から作るかは、頼む会社が判断します
  • 仕様を言語化し、文書で渡します。画面の図を付けた文書にすると、開発チームとの認識のずれを減らせます
  • 定例の会議に参加し、進み具合を確認します。ラボ型の契約では、作業の優先順位を自社の担当者が整理して、開発チームに指示を出します
  • 完成したものが、依頼したとおりに動くかを確認します。頼んだ会社の確認が終わってから、リリースに進みます

導入事例には、仕様を固めてから渡すことの大切さを、開発を進める中で実感したという声があります。ブリッジSEが要望を聞き取り、提案書に整理する開発会社を選ぶと、仕様を文書にする負担を減らせます。

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3. オフショア開発とニアショア開発・国内の開発会社との違い

オフショア開発と似た頼み方の違いは、開発チームがいる場所と、やり取りに使う言葉で整理できます。オフショア開発は海外、ニアショア開発は国内の地方都市、国内の開発会社は首都圏などの開発チームに頼む方法です。

頼み方開発チームがいる場所とやり取り人の集めやすさと費用向いている場面
オフショア開発海外。開発会社の日本側の窓口やブリッジSEが間に入る人数を増やしやすく、人月単価は国内より抑えやすい開発が数か月以上続き、人数が必要
ニアショア開発国内の地方都市。日本語で直接やり取りする費用は中程度。増やせる人数は開発会社による日本語で直接相談しながら進めたい
国内の開発会社国内(首都圏など)。日本語で直接やり取りする人月単価は高め。エンジニアの確保が難しい場合がある打ち合わせを重ねて仕様を詰めたい
自社で採用する社内。同じ職場で毎日やり取りする採用に時間と費用がかかる開発の知見を社内に蓄積し、長く続けたい

オフショア開発白書(2025年版)のアンケート(回答44社)では、国内の開発と比べた費用の削減率は「31〜40%削減」が最も多い回答でした。

ニアショア開発との違い

ニアショア開発は国内の地方都市にある開発会社に委託する方法で、オフショア開発は海外の開発会社に委託する方法です。ニアショア開発は、日本語で直接やり取りでき、時差もありません。オフショア開発は、言葉と文化の違いを、開発会社の日本側の窓口やブリッジSEが補いながら進めます。

日本語で細かく相談しながら進めたい開発は、ニアショア開発が合います。必要な人数のエンジニアを確保して、数か月以上の開発を続けたい場合は、オフショア開発が候補です。

国内の開発会社との違い

国内の開発会社とオフショア開発の違いは、仕様の伝え方に出ます。頼む会社は、打ち合わせの場で口頭の説明を足しながら、国内の開発会社に仕様を伝えられます。オフショア開発では、要望を文書にして伝える進め方が、認識のずれを減らすために有効です。

日本側のチームが要件定義と進行の管理を担当するオフショア開発会社もあります。日本側のチームが進行を管理する開発会社を選ぶと、国内の開発会社に近い進め方で依頼できます。

自社でエンジニアを採用する場合との違い

自社でエンジニアを採用すると、開発の知見と経緯が社内に蓄積されます。同じ職場で毎日相談しながら開発を進められる点も強みです。一方で、希望するスキルのエンジニアを採用できるまでに時間がかかります。

オフショア開発のラボ型では、採用の期間を待たずに、自社専属の開発チームを確保できます。自社の開発チームを残したまま、足りない人数を海外のチームで補っている会社もあります。

4. オフショア開発の料金の仕組み

オフショア開発の費用は、エンジニアの人月単価×人数×月数で決まります。人月単価は、エンジニア1人が1か月働く場合の費用です。オフショア開発白書(2025年版)によると、調査した6か国のプログラマーの人月単価は27.5万〜58.3万円でした。国別では、ミャンマーが27.5万円、ベトナムが40.1万円、中国が58.3万円で、委託する国によって差があります。

ラボ型と請負では、費用の払い方が違います。ラボ型は毎月の費用を払い、請負は成果物の完成に対して費用を払います。

国別・職種別の人月単価と、単価のほかにかかる費用は、オフショア開発の費用相場で解説しています。

5. オフショア開発のメリット

オフショア開発のメリットは、国内では集めにくいエンジニアをチームとして確保できることと、開発の費用を抑えやすいことです。編集部が確認した導入事例では、費用が下がったことよりも、納期や、品質への信頼を挙げる声が多く見られます。

オフショア開発のメリット
  • 開発の費用を抑えやすくなります。人月単価が国内より低い国のエンジニアに委託するため、同じ人数でも毎月の費用を抑えられます
  • 必要な人数のエンジニアを、チームとして確保できます。大人数のチームを短い期間で編成してもらえたという声が、導入事例にあります
  • 開発の速度が上がります。導入事例では、短い納期を守れたことや、開発の立ち上がりが早くなったことを挙げる声が多く見られます
  • 社内の担当者が、案件を海外のチームと分担できます。開発を分担し、社内からの問い合わせ対応にも時間を使えるようになった事例があります

6. オフショア開発のデメリットと注意点

オフショア開発のデメリットは、言葉と文化の違いで認識のずれが起きやすいことと、時差と距離があることです。開発を始める前に整理しておきたい点を、4つにまとめました。

オフショア開発の注意点
  • 言葉と文化の違いで、仕様の認識がずれる場合があります。打ち合わせに使う言語と、日本語で対応できる担当者の人数を契約の前に聞いておくと、始めたあとのやり取りを想定できます
  • 開発チームが離れた場所にいるため、進み具合が見えにくくなります。定例の会議の頻度と、チャットなどの連絡の手段を、開発を始める前に開発会社と整理することが大事です
  • 時差と距離があるため、対面の打ち合わせは少なくなります。依頼した会社の担当者が現地の拠点を訪問し、開発チームと直接話している事例もあります
  • 開発を始めたばかりの時期は、費用を抑える効果が出にくい場合があります。オフショア開発白書(2025年版)は、立ち上げの準備とやり取りに時間がかかることを理由に挙げています

最低の契約期間、人数を変えるときの手続き、ソースコードの権利は、オフショア開発に限らず、見積もりの段階で開発会社に確認する項目です。

導入事例には、始める前にオフショア開発への不安があったと話す会社もあります。開発を進める中で、日本語でのやり取りや要件の整理に安心したという声が見られます。

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7. オフショア開発が向いている案件・向かない案件

オフショア開発は、開発が数か月以上続き、国内では必要な人数のエンジニアを確保できない案件に向いています。向いている案件は、依頼した会社の導入事例に出てくる依頼前の状況をもとに整理しました。

オフショア開発が向いている案件

  • 国内でエンジニアを確保できず、開発が進んでいない案件。採用しても開発メンバーが集まらない場合に、海外の専属チームで開発を進められます
  • 開発と改修が、数か月以上続く案件。開発の経緯を知るチームが続けて担当するため、改修を始めるまでの時間が短くなります
  • 仕様を変えながら作る、新しいサービスの開発。ラボ型の契約なら、開発会社と相談しながら作業の優先順位を見直せます
  • 社内の担当者が別の開発で手一杯で、並行して進めたい案件。社内の担当者と海外のチームで、案件を分担できます

候補の会社を比べる段階に進む方は、オフショア開発おすすめ14選をご覧ください。

オフショア開発が向かない案件

オフショア開発が向かないのは、短い期間で終わる小さな開発、仕様を文書にしない開発、進み具合を判断する担当者を置けない場合の3つです。

  • 短い期間で終わる小さな開発で、費用を下げることが目的の案件。立ち上げの準備に時間がかかるため、国内の開発会社やニアショア開発と見積もりを比べると判断しやすくなります
  • 仕様を文書にせず、打ち合わせで詰めながら作りたい開発。日本語で直接やり取りできる、国内の開発会社やニアショア開発が進めやすい場合があります
  • 進み具合を確認して判断する担当者を、社内に置けない場合。日本側のPMが進行を管理する開発会社を選ぶと、社内の負担を減らして依頼できます

8. オフショア開発会社を選ぶときに見る点

オフショア開発会社を選ぶときは、頼む国と契約の形、日本側の窓口の体制、自社と近い状況の導入事例の3点を見ます。

オフショア開発会社を選ぶときに見る3つの点
  • 頼む国と契約の形が、自社の案件に合うか。仕様が固まっている開発は請負、開発を続けながら仕様を決める場合はラボ型が候補です。請負に対応しているかどうかは、開発会社によって分かれます
  • 日本側の窓口とブリッジSEの体制があるか。開発会社の日本人のPMが窓口になる場合と、ブリッジSEが窓口になる場合があります
  • 自社と近い規模、近い困りごとの会社を支援した事例があるか。依頼前の状況と、依頼したあとの変化が書かれた導入事例を見ると判断しやすくなります

最小の人数や契約の期間を含めた確認項目は、オフショア開発会社の選び方で解説しています。

9. オフショア開発に関するよくある質問

オフショア開発とニアショア開発は、どちらを選べば良いですか?

日本語で直接やり取りしたい場合はニアショア開発、人数を確保したい場合はオフショア開発が候補です。ニアショア開発は、国内の地方都市にある開発会社に頼む方法で、時差がありません。オフショア開発は、海外の開発チームに頼む方法で、開発が数か月以上続く案件に向いています。

オフショア開発は、小さな開発でも頼めますか?

小さな開発から頼めるオフショア開発会社があります。最小1名の体制から始められると公式サイトに明記している開発会社や、期間を限定したお試しを用意している開発会社があります。短い期間で終わる開発は費用を抑える効果が出にくい場合があるため、続けて頼む開発があるかどうかもあわせて検討するのがおすすめです。

仕様が固まっていなくても、オフショア開発を頼めますか?

ラボ型の契約なら、仕様を決めながら開発を進められます。前例のない新しいサービスの開発を、開発会社と相談しながら進めた導入事例が公開されています。要件定義の段階と開発の段階で、見積もりを分けて提案する開発会社もあります。

ブリッジSEとは何ですか?

ブリッジSEは、頼む会社の要望を海外の開発チームに伝える、橋渡し役のエンジニアです。進み具合の報告も日本語で行い、BrSEと書く場合もあります。導入事例には、ブリッジSEが要望を聞き取り、内容を整理して提案書にまとめてくれたという声があります。ブリッジSEを別料金にしている開発会社もあるため、見積もりに含まれるかどうかの確認が必要です。

AIで開発が速くなった今も、オフショア開発を使う意味はありますか?

AIを使う開発でも、オフショア開発は選択肢になります。編集部が確認した範囲では、AIを開発の工程に組み込み、開発の速度を上げると公式サイトで説明するオフショア開発会社が多く見られます。AIが作ったプログラムを各工程でエンジニアが確認すると明記している開発会社や、少ない人数のチームにAIを組み合わせる体制を用意する開発会社も見られました。

10. まとめ

オフショア開発は、システムやアプリの開発を、海外の開発会社や海外にある開発拠点のチームに委託して進める開発の方法です。実装とテストを中心に、要件定義から運用と保守まで頼めます。作りたいものの整理と、完成したものの確認は、頼んだ会社に残ります。

オフショア開発が向いているのは、開発が数か月以上続き、国内では必要な人数のエンジニアを確保できない案件です。作りたいものを文書に整理し、日本側の窓口の体制を確認してから、候補を2〜3社に絞りましょう。各社の比較はオフショア開発おすすめ14選にまとめています。開発の人手を確保する方法として、検討してみてください。

何社も調べて、比べる。その手間に。ジツゾウの独自AIで発注先探しをもっとラクに。候補探し・比較・信頼性の確認を、独自AIでまとめて支援。発注先探しを相談する