インサイドセールス代行とは?任せられる業務とテレアポ代行・営業代行との違いを解説

この記事を読むと分かること
「既存のお客様からの紹介と問い合わせだけでは、新しい商談が足りなくなってきた」。「以前に電話の代行を頼んだが、電話をかけるだけで終わり、効果が見えなかった」。インサイドセールス代行を調べ始めるきっかけは、このような状況から生まれます。
この記事は、見込み客への連絡や新規開拓を外に任せたい会社の、経営者や営業責任者の方に向けて書いています。インサイドセールスの仕事に就きたい方に向けた内容は扱っていません。
インサイドセールス代行とは、見込み客に電話やメールで連絡し、商談を設定するまでの営業活動を、外部の会社に任せるサービスです。任せられる範囲は、サービスによって違います。自社の営業活動のどの工程を任せたいかを整理すると、インサイドセールス代行、テレアポ代行、営業代行のどれを検討すれば良いかが分かります。この記事では、依頼できる業務、似たサービスとの違い、向いている会社を解説しています。
インサイドセールス代行の会社を比べたい方は、インサイドセールス代行のおすすめ12選で各社の料金と導入事例を紹介しています。

1. インサイドセールス代行とは

インサイドセールス代行とは、見込み客への連絡から商談の設定までの営業活動を、代行会社のチームが自社に代わって行うサービスです。インサイドセールスは、電話、メール、Web会議を使い、相手の会社を訪問せずに進める営業の方法を指します。
インサイドセールス代行の業務は、準備、連絡、育成と商談の設定、報告と改善の流れで進みます。どの業務まで対応するかは、サービスによって分かれます。
- 準備:連絡する相手の設計、営業リストの作成、トークスクリプト(電話で話す内容の台本)の作成
- 連絡:電話やメールでの新規の会社への連絡、問い合わせや資料請求への対応
- 育成と商談の設定:すぐには商談にならない見込み客への継続した連絡、商談の日程調整
- 報告と改善:活動の記録、定例の報告、トークスクリプトや連絡先の見直し
インサイドセールス代行の仕組み
インサイドセールス代行は、代行会社のチームと、頼んだ会社の営業担当で仕事を分けて進めます。編集部が公式サイトを確認した範囲では、プロジェクトを管理する担当者と、電話やメールで連絡する担当者でチームを組むサービスが多数です。頼んだ会社ごとに、代行会社が専任のチームを編成するサービスもあります。
代行会社のチームは、見込み客と話した内容を記録し、検討が進んだ相手との商談を設定します。設定した商談に対応し、提案から受注までを進めるのは、頼んだ会社の営業担当(フィールドセールス)です。商談や受注まで代行会社が対応するサービスもあります。
代行会社の担当者が、代行会社の拠点で活動するサービスや、オンラインで進めるサービスがあります。業務委託契約と明記しているサービスもあり、任せる工程や体制の人数は、契約の前に代行会社と確認します。
SDRとBDRの違い
インサイドセールスは、連絡する相手によってSDRとBDRの2つに分かれます。SDRは反響のあった見込み客に対応する活動で、BDRは接点のない会社に自社から連絡する活動です。
| 呼び方 | 連絡する相手 | 主な作業 |
|---|---|---|
| SDR(Sales Development Representative) | 問い合わせ、資料請求、展示会の名刺など、すでに接点のある見込み客 | 早めの連絡、検討状況のヒアリング、商談の設定、継続した連絡 |
| BDR(Business Development Representative) | まだ接点のない、自社が取引したい会社 | 営業リストの作成、電話やメールでの連絡、担当者との接点づくり、商談の設定 |
インサイドセールス代行には、BDRが中心のサービスもあれば、SDRとBDRの両方に対応するサービスもあります。SDRやBDRという言葉を使っていないサービスも多く、公式サイトでは「インバウンド対応」「アウトバウンド対応」「新規開拓」などの言葉で説明されています。自社が任せたい相手が、反響のあった見込み客なのか、接点のない会社なのかを先に整理しておくと、対応しているサービスを探しやすくなります。
2. インサイドセールス代行に依頼できる業務の範囲
インサイドセールス代行に依頼できるのは、営業リストの作成から、見込み客への連絡、商談の設定、活動の報告までの業務です。電話での連絡と活動の報告は多くのサービスが対応していますが、メールでの連絡や商談への対応は、サービスによって分かれます。編集部がインサイドセールス代行の公式サイトを確認した範囲で、業務を整理しました。
多くのサービスが対応している業務
電話での連絡と、連絡の前の準備、活動の報告は、多くのインサイドセールス代行が対応しています。
- 連絡する相手の設計
- 営業リストの作成
- トークスクリプトの作成と見直し
- 電話での連絡と、検討状況のヒアリング
- 見込み客への継続した連絡と、過去に接点のあった相手への再度の連絡
- 商談の日程調整と、聞き取った内容の営業担当への引き継ぎ
- 活動の記録、定例の報告、改善の提案
営業リストやトークスクリプトの作成に対応するサービスは多くあります。手元に無くても依頼できると明記しているサービスや、自社で用意したリストを使って始められるサービスもあります。
サービスによって分かれる業務
電話以外の手段での連絡、商談そのものへの対応、体制づくりの支援は、対応するサービスと対応していないサービスに分かれます。任せたい業務が次の中にある場合は、候補を絞る最初の段階で対応を確認すると安心です。
- メールや問い合わせフォームなど、電話以外の手段での連絡
- 問い合わせや資料請求があった見込み客への対応
- 電話やWeb会議での商談と、受注までの対応
- 契約後の顧客へのフォローや、追加の提案
- SFAやCRM(営業の記録と顧客情報を管理するシステム)の導入と運用
- インサイドセールスの部署の立ち上げと、自社の担当者への研修
- 通話の録音データの提供
対応していない業種や商材と、頼んだ会社に残る作業
インサイドセールス代行には、対応する業種や商材を決めているサービスがあります。金融や保険、個人向けの商材には対応していないサービスや、ITサービスを扱う会社を中心に支援しているサービスが見られます。自社の商材が対象に入るかどうかは、最初の問い合わせで確認するのが確実です。
業務を任せたあとも、頼んだ会社には次の作業が残ります。公式サイトの説明をもとに、4つにまとめました。
- 商材の説明をします。代行会社の担当者に、商材の内容、価格、競合との違いを伝える作業です。商材の資料や価格表があると、準備が早く進みます
- 目的と目標をすり合わせます。活動の目的と、目標にする数字を、始める前に代行会社と共有します
- 設定された商談に対応します。商談の設定までを任せる場合、提案と受注は自社の営業担当の仕事です
- 定例の報告をもとに、活動を見直します。報告の内容を確認し、連絡する相手や話す内容を代行会社と調整します
予算の確保と意思決定を、頼んだ会社の業務と明記しているサービスもあります。社内に代行会社とやり取りする担当者を選任しておくと、情報の共有がスムーズです。

3. インサイドセールス代行とテレアポ代行・営業代行との違い

インサイドセールス代行と似たサービスの違いは、営業活動のどの工程を任せるかで整理できます。テレアポ代行は電話でのアポイント獲得、インサイドセールス代行は見込み客の育成と商談の設定まで、営業代行は受注までを含む広い範囲が対象です。
| 頼み方 | 任せる範囲 | 料金の単位 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| テレアポ代行 | リストへの電話と、アポイントの日程調整 | 1コールや1アポイントの単価、月額固定 | 電話をかける数を増やして、アポイントを取りたい |
| インサイドセールス代行 | 新規の会社への連絡、見込み客の育成、商談の設定 | 月額固定が中心。成果報酬や複合型もある | 見込み客はいるのに、商談につながっていない |
| 営業代行 | アポイントの獲得から商談、受注まで | 契約の内容による | 商談から受注までを担当する人手が足りない |
| 自社で採用する | 自社の社員がすべての工程を担当 | 給与と、採用や育成の費用 | 営業のやり方を社内に蓄積し、長く続けたい |
テレアポ代行との違い
テレアポ代行はリストへの電話とアポイントの獲得までを任せるサービスで、インサイドセールス代行は、連絡の継続と商談の設定までを任せるサービスです。インサイドセールス代行の担当者は、電話で聞き取った検討状況を記録し、すぐに商談にならない相手にも連絡を続けます。
トークスクリプトとリストが社内にあり、電話をかける人手が足りない場合は、テレアポ代行が合います。テレアポ代行の会社は、テレアポ代行のおすすめ11選で紹介しています。
見込み客はいるのに商談につながらず、検討期間が長い商材を扱っている場合は、インサイドセールス代行が候補です。
営業代行との違い
インサイドセールス代行は商談の前までの工程を中心に任せるサービスで、営業代行は商談と受注までを含みます。営業代行は、営業活動の一部か全体を外部の会社に任せるサービスの総称で、テレアポ代行とインサイドセールス代行も営業代行に含まれます。
商談と受注を自社の営業担当が進める場合は、インサイドセールス代行が候補です。商談と受注まで任せる場合は、商談にも対応する営業代行が候補になります。
サービスの名前と任せられる範囲は、一致しない場合があります。インサイドセールス代行と名乗るサービスの中にも、商談や受注まで対応するサービスがあります。営業代行やアウトソーシングという名前で、インサイドセールスの業務を提供している会社も多いです。テレアポ代行とインサイドセールス代行の両方を提供している会社もあります。サービスの名前よりも、公式サイトに記載された対応業務を見て比べるのが確実です。
自社で担当者を採用する場合との違い
自社でインサイドセールスの担当者を採用すると、営業のやり方と見込み客との関係が社内に蓄積されます。商材への理解が深い社員が連絡するため、専門的な質問にもその場で答えられる点が強みです。一方で、採用と育成には時間がかかり、担当者が退職すると活動が止まることがあります。
インサイドセールス代行では、経験のある担当者のチームが、採用や育成の期間を待たずに活動を始めます。代行会社が作成したトークスクリプトや活動の記録を、頼んだ会社に引き渡すサービスもあります。
代行会社に任せて商談の作り方を確かめてから、自社の体制に切り替える進め方もあります。部署の立ち上げや、自社で運用できるようになるまでの支援に対応しているサービスは多くあります。
4. インサイドセールス代行の料金の仕組み
インサイドセールス代行の料金の相場は、固定報酬型が月額50〜70万円、成果報酬型がアポイントや商談1件あたり1.5万〜3万円です。料金の形は、固定報酬型、成果報酬型、2つを組み合わせた複合型の3つに分かれます。複合型は、月額の固定費に、1件あたり1万〜2万円の成果報酬を足す形が目安です。
公式サイトで公開されている料金は、月額の固定費が中心です。金額は、任せる工程と、担当する人数で変わります。任せる工程が増えるほど、月額は上がります。
料金の形ごとの相場はインサイドセールス代行の費用相場で、各社の公開料金はインサイドセールス代行の料金相場で解説しています。
5. インサイドセールス代行のメリット
インサイドセールス代行のメリットは、採用と育成を待たずに活動を始められることと、営業担当が商談に集中できることです。依頼した会社の導入事例に出てくる変化とあわせて、5つにまとめました。
- 採用と育成を待たずに、活動を始められます。経験のある担当者のチームが対応するため、社内に進め方を知る人がいなくても見込み客への連絡を始められます
- 営業担当が商談に集中できます。連絡と日程調整を代行会社が担当し、社員が既存の顧客への対応に時間を使えるようになった事例があります
- 商談の件数が増えます。導入事例では、依頼したあとに商談やアポイントが増えたという声が多く見られます
- 断られた理由や相手の反応が、記録に残ります。報告をもとに、連絡する相手や話す内容を見直せるようになった事例があります
- 止まっていた見込み客から、商談が生まれます。過去に断られた相手や、連絡が途切れていた相手に再度連絡し、商談や受注につながった事例があります
通話の録音やトークスクリプトを、社内の営業担当の教材として使っている会社もあります。
6. インサイドセールス代行のデメリットと注意点
インサイドセールス代行の注意点は、始める前に商材の説明と条件のすり合わせに手間がかかることと、やり方が社内に残りにくいことです。契約の前に確認すると安心な点を、5つにまとめました。
- 代行会社の担当者に、商材を理解してもらう時間が必要です。商材の資料、価格表、競合の情報を準備し、始める前の説明の時間を見込んでおくとスムーズです
- 商談として引き渡す条件を決めずに始めると、設定される商談と、営業担当が求める商談にずれが出ます。相手の役職、予算、検討の時期など、どの条件を満たした相手を商談にするかを、始める前に代行会社と整理することが大事です
- 営業のやり方が、社内に残りにくい場合があります。スクリプト、活動の記録、通話の録音を自社で受け取れるかどうかを、契約の前に確認すると安心です
- 成果報酬型に対応していないサービスがあります。成果報酬型を希望する場合は、対応しているかどうかを問い合わせの段階で確認することが必要です
- 見込み客の情報を、代行会社に預けます。プライバシーマークやISMS(情報セキュリティの管理の認証)の有無と、契約を終えたあとのリストや記録の扱いを、契約の前に聞いておくと安心です

7. インサイドセールス代行が向いている会社・向かない会社

インサイドセールス代行は、見込み客や連絡したい会社はあるのに、連絡する人手や進め方が社内に足りない会社に向いています。依頼した会社の導入事例に出てくる、依頼前の状況をもとに整理しました。
インサイドセールス代行が向いている会社
- 展示会や問い合わせで集めた見込み客に、連絡しきれていない会社。集めた見込み客への連絡が後回しになっている場合に合います
- 営業担当が既存の顧客への対応で手一杯の会社。新規開拓の電話が後回しになっている場合に、連絡の工程を任せられます
- 営業やインサイドセールスの部署がない会社。体制づくりから対応するサービスを選ぶと、進め方ごと任せられます
- 既存の顧客や紹介だけでは、新しい商談が足りない会社。接点のない会社への連絡を、継続した活動として始められます
候補の会社を比べる段階に進む方は、インサイドセールス代行のおすすめ12選をご覧ください。
インサイドセールス代行が向かない会社
- 電話をかける件数を増やすことが目的の会社。リストへの電話とアポイントの獲得に絞って任せる、テレアポ代行が合います
- 商談から受注までを、すべて任せたい会社。商談と受注まで対応する営業代行か、商談に対応しているインサイドセールス代行が候補になります
- 説明に高度な技術の理解が必要な商材を扱う会社。高度な技術の理解が必要な商材は向いていないと明記しているサービスがあるため、問い合わせの段階で商材を伝えると安心です
- 代行会社とやり取りする担当者を置けない会社。商材の説明や定例の打ち合わせの時間を確保できる体制が必要です
8. インサイドセールス代行を選ぶときに見る点
インサイドセールス代行を選ぶときは、任せたい工程への対応、商談として引き渡す条件、活動の記録の残り方の3点を見ます。
- 任せたい工程に対応しているか。新規の会社への連絡、問い合わせへの対応、見込み客の育成、商談への対応のうち、どの工程に対応しているかはサービスごとに違います
- 商談として引き渡す条件を、誰がどう決めるか。相手の役職や検討の時期などの条件を、代行会社と一緒に設計できるかを確認します
- 見込み客の情報と活動の記録が、どこに残るか。活動の記録を、頼んだ会社のSFAやCRMに入力するサービスがあります。契約を終えたあとの記録の扱いもあわせて確認します
報告の頻度や契約期間を含めた確認項目は、インサイドセールス代行の選び方で解説しています。
9. インサイドセールス代行に関するよくある質問
インサイドセールス代行は、どんな商材でも頼めますか?
対応する業種や商材を決めているサービスがあるため、問い合わせの段階での確認が必要です。個人向けの商材や、金融、保険には対応していないサービスがあります。ITサービスやSaaSの会社を中心に支援しているサービスもあるため、同じ業種の導入事例があるかを見ると判断しやすくなります。
インサイドセールス代行に頼んだあと、自社には何の作業が残りますか?
商材の説明、目標のすり合わせ、設定された商談への対応、定例の報告の確認が、残る作業です。始める前に、商材の資料や価格表を代行会社に渡すと、準備が早く進みます。始めたあとは、報告を確認して、連絡する相手や話す内容を代行会社と一緒に見直します。
インサイドセールス代行に、商談や受注まで任せられますか?
商談や受注まで対応するサービスと、商談の設定までを範囲にするサービスに分かれます。電話やWeb会議での商談に対応するサービスや、商談の代行を別のメニューで用意している会社があります。商談まで任せたい場合は、公式サイトの対応業務に商談やクロージング(契約を結ぶ最後の段階)の記載があるかを見るのが確実です。
インサイドセールスで、AIで済む業務と人に頼む業務はどう分かれますか?
見込み客への電話は代行会社の担当者が行い、通話の録音をAIで解析するサービスがあります。編集部が確認した範囲では、解析の結果はトークスクリプトの改善に使われています。AIを使う範囲はサービスによって違うため、気になる場合は問い合わせの段階で確認できます。
インサイドセールス代行に預けた見込み客の情報は、どう管理されますか?
情報セキュリティの認証と、契約を終えたあとの情報の扱いの2点で確認できます。プライバシーマークやISMSの認証を、公式サイトに明記している代行会社があります。預けたリストと活動の記録を、契約を終えたあとに返却するか消去するかは、契約の前に聞いておくことが大事です。
10. まとめ
インサイドセールス代行は、電話やメールで見込み客に連絡し、商談の機会を作るまでの営業活動を、外部の会社に任せるサービスです。テレアポ代行はアポイントの獲得まで、インサイドセールス代行は見込み客の育成と商談の設定まで、営業代行は受注までが対象です。商材の説明と、設定された商談への対応は、頼んだ会社に残ります。
インサイドセールス代行が向いているのは、見込み客や連絡したい会社はあるのに、連絡する人手や進め方が社内に足りない会社です。任せたい工程と、商談として引き渡す条件を整理してから、候補を2〜3社に絞りましょう。各社の比較はインサイドセールス代行のおすすめ12選にまとめています。連絡しきれていない見込み客を商談につなげる方法として、検討してみてください。
