積算AIおすすめ3選と工種別の比較【2026年】料金と無料で試せるサービス

この記事を読むと分かること
「図面の拾い出しに時間がかかり、見積の提出が間に合わない」。「積算を担当者1人に任せていて、休むと見積が止まる」。積算AIの相談は、このような相談から始まることが多いです。
積算AIは工種で選びます。設備工事の会社なら、PDFの平面図から配管や機器を拾うサービスが候補です。月の図面枚数と利用人数を伝えて各社に見積を依頼すると、金額を比べられます。
この記事では、公式サイトに導入事例を公開している積算AI3社と、工種別に候補になる12サービスを比較しました。AIに任せられる作業の範囲と料金の幅が分かれば、自社の図面で試すサービスを2〜3社に絞れます。
建設業全体でのAIの使い道は、建設業でAIが使える業務で解説しています。

1. この記事の掲載基準
7章「積算AIのおすすめ3選」は、公式サイトに導入事例か利用者の声を個別のページで公開していて、そのページから業種・規模・課題が分かりやすい会社を掲載しました。知名度ではなく、事例を公開していて、お客さんの課題や導入の背景が分かる会社を中心に選んでいます。
5章「工種別にどの積算AIを選べばいいか」では、公式サイトにAIの機能が書かれている12サービスも比較しました。5章の内容は公式サイトの記載をもとにしています。料金は公式サイトに金額が書いてある場合に転記し、数字は各社の公開情報で、確認日は記事末尾の注記にあります。本記事には有料掲載企業が含まれる場合があります。
2. 積算AIとは
積算AIとは、図面や見積書をAIが読み取り、数量の拾い出しや見積作成の手間を減らすシステムです。積算は、図面から拾った数量に単価や歩掛(作業に必要な手間の標準値)を掛けて工事費を出す作業で、積算AIは数量拾いの部分を中心に担います。製品名に「AI積算」「積算AI」と付くものが複数あり、任せられる作業はサービスごとに違います。
建設業の就業者は高齢化が進んでいます。国土交通省の資料(総務省「労働力調査」を基に算出)によると、令和5年の建設業就業者は55歳以上が36.6%、29歳以下が11.6%です(国土交通省)。積算AIには、自社の拾い方のルールをAIに教えて精度を上げるサービスがあります。
積算AIに任せられる作業の範囲
積算AIは、次の3種類に分かれます。自社で時間がかかっている作業がどれに当たるかを先に整理すると、比べるサービスが絞れます。
- 数量拾い型:図面の記号や線を読み取り、部材の個数、長さ、面積を数量表にします。
- 見積書の処理型:協力会社から届いた見積書を読み取り、転記や比較の手間を減らします。
- 見積作成型:数量と自社の単価表から見積書の叩き台を作ります。
積算ソフト、積算代行との違い
積算AI、積算ソフト、積算代行は、図面を読む作業を誰が担当するかで違います。
| 言葉 | 主にやること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 積算AI | AIが図面や見積書を読み取り、人が結果を確認する。本記事の対象 | 同じ工種の図面が毎月ある |
| 積算ソフト | 人が画面上で図面から数量を拾い、単価や歩掛を当てて内訳書や見積書にまとめる | 担当者が画面上で数量を確認しながら拾いたい |
| 積算代行 | 外部の積算の担当者が図面を読み、数量を拾う | 大きな案件や繁忙期に、作業を丸ごと頼みたい |
| AI導入支援 | 会社に合わせてAIの活用を設計し、開発や定着まで支援する | 積算以外の業務もまとめて見直したい |
ChatGPTなどの生成AIで積算はできるか
ChatGPTなどの生成AIは、仕様書の要約や確認リストの作成なら使えますが、図面の数量拾いをする場合は専用の積算AIが向きます。積算では、どの図面のどの記号から数量を拾ったかを人が確認する必要があるためです。専用の積算AIには、拾った箇所を図面の上に表示する機能を持つものがあります。図面や見積金額を外部のAIに入力する場合は、社内のルールを整備してから始めることが大事です。
3. 積算AIの料金はいくらか
積算AIの公開料金は月0円から月40万円以上まで幅があり、試す方法には無料プラン、14日間の無料トライアル、βテスト期間の無料利用があります。ここに書く金額は、各社が公式サイトに公開している料金そのままで、編集部が平均した相場ではありません。
公開されている料金の一覧
公式サイトに金額が載っているサービスの料金は次のとおりです。
| サービス名(提供会社) | 月額 | 初期費用 |
|---|---|---|
| 拾助AI(砦システム) | Free 0円、Pro 4,400円(税込)、Ultra 12,000円(税込) | お問い合わせでご確認ください |
| SAKUJI(Nexadata) | セルフプラン 9,900円(税込)、追加1名につき550円 | 0円 |
| コンクルーAI(コンクルー) | 9,900円〜(税込10,890円〜)、最小構成の1名利用 | お問い合わせでご確認ください |
| 住宅積算AI(ウッドステーション) | 2026年11月30日から10,000円(税抜)、解析は月50回まで | お問い合わせでご確認ください |
| Patto AI(KMC) | スタンダード 50,000円(税別)、ボリューム 100,000円(税別) | 0円 |
| 積算AIエージェント(KENCOPA) | 20万〜40万円 | 数百万円、1工種から |
| 積算AI(KK Generation) | 40万円〜を目安 | カスタマイズ料金 500万円〜を目安 |
見積を取るときに伝える条件
個別見積のサービスでは、次の4つが金額に影響します。各社に同じ条件を伝えると、見積を比べられます。
- 月の図面枚数:処理する図面の量で金額が変わります。
- 利用人数:積算の担当者が使う人数を伝えます。
- 対応する工種の数:工種を増やすと費用が増える場合があります。
- 自社の書式への対応:見積書や数量表の書式に合わせる場合は、カスタマイズの有無を確認します。
無料で試せるサービス
無料で試せるサービスは、試せる範囲がそれぞれ違います。自社の図面で確かめられるかどうかで比べるのがおすすめです。
- 拾助AI:Freeプランは月0円で、毎日200クレジット、プロジェクト3件まで使えます。
- SAKUJI:14日間、3案件まで無料で試せます。
- コンクルーAI:14日間の無料トライアルがあります。
- 住宅積算AI:2026年11月29日までのβテスト期間は無料で、以後も無料アカウントで1回試せます。
- 積算AIエージェント:NDA(秘密保持契約)の締結後に図面PDFを預けると、読み取り結果を無償で確認できます。
- SUNUP Cloud 積算:無料トライアルを実施しています。
4. 積算AIの選び方
積算AIは、工種、読める図面の形式、数量表までか見積書までか、同じ規模の会社を助けた経験、確認の手間の5点で選びます。
- 自社の工種に対応しているかを見る
- 読める図面の形式を見る
- 数量表までか、見積書までかを見る
- 同じ規模、同じ困りごとの会社を助けた経験があるか
- 確認の手間まで含めて、自社の図面で測る
1. 自社の工種に対応しているかを見る
積算AIで最初に確認するのは工種です。設備の配管を拾うサービスと、木造住宅の建材を拾うサービスは別の製品です。空調と衛生のように工種が複数ある会社は、主力の工種から確認すると比較が進みます。
積算AIの工種を確かめるときの確認項目
- 主力の工種を書き出す
- 対応工種の一覧を公式サイトで見る
- 対応していない工種の扱いを聞く
2. 読める図面の形式を見る
普段受け取る図面の形式で動くかどうかを、PDF、CAD、スキャンの3つで確認しましょう。CADから出力したPDFと、紙をスキャンしたPDFでは、読み取りの条件が変わります。元請から紙で届く図面が多い会社は、スキャンへの対応が必要です。
積算AIの図面の形式を確かめるときの確認項目
- 普段受け取る図面の形式を整理する
- CADのデータをそのまま読めるかを聞く
- スキャン図面の扱いを聞く
3. 数量表までか、見積書までかを見る
AIが出す成果物の範囲は、数量表までのものと見積書までのものに分かれます。社内にExcelの見積の書式があるなら、数量表をExcelやCSVで出力できるサービスを選びます。自社の単価表から見積書まで作りたい場合は、単価表の取り込みと書式の対応を確認しましょう。
積算AIの出力を確かめるときの確認項目
- AIが出す成果物の範囲を聞く
- 自社の見積書の書式に合わせられるかを聞く
- 自社の単価表を取り込めるかを聞く
4. 同じ規模、同じ困りごとの会社を助けた経験があるか
公開されている導入事例から、自社と近い規模や業務の会社が何を任せたかを確認します。7章「積算AIのおすすめ3選」では、見積書の処理、建材の数量拾い、手書き見積書の転記のそれぞれで導入事例を紹介しています。
積算AIの事例を読むときの確認項目
- 自社と近い業種と規模の事例を探す
- AIに任せた作業を確かめる
- 導入の前と後の変化を読む
5. 確認の手間まで含めて、自社の図面で測る
積算AIの効果は、人が見直す時間まで含めて測ります。手拾いに3時間かかる図面で、AIが10分で数量を出しても、見直しに2時間かかれば短縮は50分です。過去に手で拾った図面を1件使い、数量の差と見直しの時間を比べるのがおすすめです。
積算AIを自社の図面で試すときの確認項目
- 手で拾った数量が分かる図面を1件用意する
- 手拾いの時間とAIを使った時間を測る
- 差が出た部材と箇所を記録する
5. 工種別にどの積算AIを選べばいいか
工種別に候補になる12サービスを、公式サイトの記載をもとに比較しました。導入事例を公開している3サービスは、7章「積算AIのおすすめ3選」で紹介します。
設備工事の会社はどの積算AIを選べばいいか
設備工事の会社は、PDFの平面図から配管や機器を拾う5サービスが候補です。見積は、積算の担当者が使う人数分で依頼すると、各社の金額を比べやすくなります。
| サービス名(提供会社) | AIで行うこと | 読める図面と出力 |
|---|---|---|
| AI積算(H2Corporation) | 空調・衛生・消火の配管、ダクト、個数物を自動で拾う | PDF、スキャンした紙の図面。Excel・CSVの集計表、PDFの拾い図 |
| AI積算(大塚商会) | 空調・衛生・消火・電気設備の記号や配管、ダクトを自動で認識する | PDFの平面図。CSV・Excelの拾い表、PDFの拾い図 |
| Tera拾い(Prefab) | 電気・空調・給排水のPDF図面の数量を拾う | PDF(スキャン図面、手書きの変更図面、改修図面)。CSV |
| 設備積算AI(NITACO) | 機械設備と電気設備の数量を拾い、見積書まで作る | PDF、DXF、JWW。Excelの数量表と見積書 |
| 拾いの匠NX(システムズナカシマ) | 図面上の機器をAIが認識して拾う | DXF、DWG、JWWなどのCADデータ、PDF、スキャン。集計表、CSV |
電気工事の会社はどの積算AIを選べばいいか
電気工事の会社は、月9,900円(税込)のSAKUJI、月50,000円(税別)のPatto AI、無料トライアルがあるSUNUP Cloud 積算が候補です。設備工事の表にあるTera拾い、設備積算AIも電気設備に対応しています。
| サービス名(提供会社) | AIで行うこと | 読める図面と出力 |
|---|---|---|
| SAKUJI(Nexadata) | 電気工事・機械設備の図面からAIが数量を一次拾いする | PDF、JWW、DXF、DWG。Excel、CSV |
| Patto AI(KMC) | 図面PDFと案件条件から積算し、実行予算書や見積書を作る | PDF、DXF。Excel |
| SUNUP Cloud 積算(SUNUP合同会社) | 電気設備の器具の個数と配線の長さ、建築の面積を拾う | CADから出力したPDF、DXF。見積書、内訳書、拾い表 |
建築・内装の会社はどの積算AIを選べばいいか
建築・内装の会社は、図面を横断して拾い、見積書まで作る個別導入型の積算AI(KK Generation)と積算AIエージェント(KENCOPA)が候補で、どちらも月20万円以上です。積算AI(KK Generation)は事前検証のあと約2〜4か月、積算AIエージェント(KENCOPA)は初期構築に最短3か月と紹介しています。
| サービス名(提供会社) | AIで行うこと | 読める図面と出力 |
|---|---|---|
| 積算AI(KK Generation) | 内外装、躯体、設備、仮設、外構、土木の図面を横断して数量を拾い、見積書まで作る | PDFと画像が中心。用途に応じてCAD、BIM。Excel、CSV |
| 積算AIエージェント(KENCOPA) | 仮設、躯体、内部仕上げ、設備、土木の数量を拾い、図面上に拾った箇所を表示する | PDF、CAD。Excel、CSV、JSON |
工務店・住宅会社はどの積算AIを選べばいいか
工務店は、2026年11月30日から月10,000円(税抜)の住宅積算AIと、無料プランがある拾助AIが候補です。どちらも結果を担当者が見直してから見積に使います。パナソニックの間取り図AI積算は、同社の建材の数量拾いに対応します。
| サービス名(提供会社) | AIで行うこと | 読める図面と出力 |
|---|---|---|
| 住宅積算AI(ウッドステーション) | 木造住宅の意匠図を読み取り、29工種の積算明細を作る | CADから出力したPDF。CSV、JSON |
| 拾助AI(砦システム) | PDF図面からBIM(建物の情報を3次元で持つデータ)を作り、基礎、躯体、内外装の数量を確認する | PDF図面。CSV |
公共の土木工事の積算にAIは使えるか
公共の土木工事の場合は、AIを使っても、積算基準の歩掛と単価を当てて担当者が金額を確定します。数量の拾いや設計書の読み取りの結果も、担当者が確認します。国土交通省は積算基準を実態調査に基づいて改定していて、令和8年度の新基準も公表しました。適用する年度の基準を人が確認する必要があります。
建設業者は、公共工事の入札の申込みの際に、入札金額の内訳を記載した書類を提出します(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 第12条)。内訳の根拠を説明できるように、AIが出した数量も担当者が図面と突き合わせます。積算AI(KK Generation)、積算AIエージェント(KENCOPA)、Patto AI(KMC)は、公式サイトで土木工事への対応を紹介しています。
国土交通省が令和8年9月に公表したインフラ分野のAI実装に向けた取組方針には、「設計照査・積算支援・監督検査等の専門業務に特化した AI」を使える環境の整備が盛り込まれています。
届いた見積書の処理を減らしたい会社はどの積算AIを選べばいいか
図面ではなく見積書の処理を減らすなら、Connected Base や コンクルーAI が候補です。協力会社から届く書式の違う見積書を読み取り、比較や転記の手間を減らします。どちらも7章「積算AIのおすすめ3選」で紹介します。
読める図面の形式はサービスでどう違うか
読める図面の主力はPDFで、今回比較した12サービスのすべてがPDFに対応しています。スキャンした紙の図面は、CADから出力したPDFと読み取りの条件が変わるため、普段の図面で試して数量を確かめることが大事です。CADのデータをそのまま読むなら、この章の表の「読める図面と出力」の列で、JWW、DXF、DWGなどの対応を確認します。
積算AIと積算代行はどちらがいいか
月20件のように図面の件数が毎月続く会社は積算AI、件数に波がある会社は積算代行が候補です。積算担当が1人の会社なら、積算AIで一次拾いを済ませ、大きな案件だけ代行に頼む使い分けもできます。
積算代行には、延床面積あたりの単価で料金を公開している会社があります。株式会社建築見積センターは、事務所ビルなどの新築で延床1,000〜1,500㎡の場合に1㎡あたり350〜460円(税別、建築主体の数量積算のみ)を公開しています。延床1,000㎡なら35万〜46万円です。納期は、積算代行の公開実績に7〜15日の例があります。

6. 積算AIの比較表
導入事例を公開している3サービスの、主なAI機能、対応する業務と図面、料金を比較しました。
| サービス名 | 主なAI機能 | 対応する業務・図面 | 料金(公開分) |
|---|---|---|---|
| Connected Base | 見積書の読み取り、比較表の作成 | PDF、Excel、Word、画像、FAXの見積書 | お問い合わせでご確認ください |
| 間取り図AI積算 | 図面からの建材の拾い出し、見積書の作成 | 紙の図面、住宅系CAD4社のデータ | Webハウズの導入は無料(登録が必要) |
| コンクルーAI | 見積書の転記、図面や写真からの見積案の作成 | 見積、受発注、施工管理 | 月9,900円(税込10,890円)〜 |
7. 積算AIのおすすめ3選
ここからは、導入事例を公開している3社を紹介します。見積書の処理、建材の数量拾い、手書き見積書の転記のそれぞれで、AIに任せた作業が分かります。
Connected Base

Connected Baseは、株式会社YOZBOSHI(本社:東京都中野区、2022年設立)が運営するAI帳票解析のサービスです。公式サイトは「バラバラな見積書を、そのまま使える完成データに」と打ち出しています。協力会社から届く見積書を読み取り、横並びの比較表を作り、基準に沿った金額のチェックに対応しています。
読み取れる形式は、PDF、Excel、Word、画像、FAXで、手書きの文書も処理できると紹介しています。公式サイトで公開されている事例は7件です。料金はライト、スタンダード、エンタープライズのプランがあり、金額は処理量や機能に応じて提案されます。
導入事例:東急建設株式会社(総合建設業、東京都渋谷区)
従業員数2,562名の東急建設では、見積書や内訳書、予算管理表などのPDF帳票が蓄積されています。事例ページは、明細行が多い帳票や複数ページの帳票では目視での検索と確認に時間を要することを課題として紹介しています。
当社では、PDFで蓄積された協力会社見積書等をデータ化し、見積関連データの活用を進めることを目的に、Connected Baseを活用しています。特に、文字・数字の読み取り精度が高く、検索・確認に要していた負担の軽減や、今後のデータ活用に資する点を評価しています。
東急建設はConnected Baseを使い、見積書と明細書から名称、仕様・規格、単位、数量、単価、金額、備考を抽出しています。協力会社の見積書をPDFで蓄積し、データ活用を進めたい会社に合うかもしれません。
間取り図AI積算

間取り図AI積算は、パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社が提供する「Webハウズ」の機能です。Webハウズはパナソニック商品の見積りをするための業務支援サイトで、公式サイトは見積作成時間が「通常の約1/3に」なると紹介しています。この数字は、AI積算の対象の建材商品について、同社の積算部門で標準機能を使った場合の1棟あたりの時間です。
紙の図面をパソコンに取り込み、寸法を指定すると、AIが部屋別、部材別に拾い出します。国内4社の住宅系CADとも連携し、見積書はPDFとCSVで出力できます。公式サイトで公開されている活用事例は3社です。Webハウズの導入は無料で、利用には事前の登録が必要です。2026年4月には、スマートフォンで使える「写真de AI積算」のアプリも始まりました。
導入事例:株式会社大松(住宅設備機器の販売代理店、大阪府)
大阪府のリフォームに強い販売代理店の大松では、営業部から主にPDFで届く図面をもとに、担当者が手拾いで積算をしていました。キッチンやトイレなどの空間ごとに、1日に20〜30件ほど積算しています。
床材や幅木などの拾い出しは、図面から延床面積を割り出すことから始める必要があり、他の部位より長めに時間を要していました。「間取り図AI積算」を活用してからは、AIが図面から判断した部屋設定を確認して、問題があれば画面上で調整するだけで、床材・幅木の必要数を自動で算出してくれます。ダブルチェックも含めた全体の作業時間は、建材関連の積算では約半分ほどに抑えられている印象です。
空いた時間を、リフォームのキッチンまわりの積算に充てられるようになったと紹介されています。パナソニックの建材を扱っていて、PDFの図面から手拾いで積算している会社に向いています。
コンクルーAI

コンクルーAIは、株式会社コンクルー(東京都中央区、2023年設立)が運営する「中小建設会社のためのAIオールインワン業務管理ツール」です。顧客・案件管理、見積・原価管理、受発注管理、施工管理、売上・粗利管理に対応しています。
積算に関わる機能は2つあります。見積AIエージェントは図面や現場写真を分析して見積案を作り、転記AIエージェントは仕入先や外注先の見積書から内容を抽出します。公式サイトで公開されている事例は10件です。料金は維持費が月9,900円(税込10,890円)〜で、最小構成の1名利用の金額です。14日間の無料トライアルがあります。
導入事例:株式会社ラウレア建築工房(住宅リフォーム、神奈川県鎌倉市)
神奈川県鎌倉市で住宅リフォームを手がける、従業員1〜3名のラウレア建築工房。導入前は、社長が手書きした見積書を事務がExcelに転記し、帳票用の別のシステムに再入力していました。1案件の見積作成に4〜6時間を費やしていたと公開されています。
手書きの見積書をスマホで撮影すれば、数秒で8~9割が自動入力され、手作業の修正は数カ所のみ。これにより、最長6時間かかっていた作業が4時間削減され、2時間以内に完了するようになりました。
現場の職人もスマートフォンから案件の写真や資料を確認できるようになりました。見積書を手書きし、その内容をExcelや別のシステムに入力し直している会社に、ぴったりかもしれません。
ここで紹介した導入事例は、各社が公式サイトで公開している事例のうちの1つです。各社はほかの業種・規模の会社も支援しているので、気になる会社は公式サイトの事例ページもあわせてご覧ください。

8. 積算AIのメリットと注意点
積算AIは見積の作成時間を短くしますが、結果を人が確認する工程は残ります。メリットと注意点を分けて整理しました。
積算AIのメリット
- 見積の作成時間が短くなります。公開事例には、1案件で最長6時間かかっていた作業が2時間以内になった例があります。
- 確認を含む作業時間が短くなります。建材の積算で、ダブルチェックを含む作業時間が約半分になった例があります。
- 難しい積算に時間を充てられます。建材の積算が短くなった分を、キッチンまわりの積算に使えるようになった事例があります。
積算AIの精度はどのくらいか
提供会社が公表している精度は、個数物で95%以上〜99%以上です。配管のような線の拾いは95%という公表値のほかに、全体で7〜8割から始めて精度を上げていくと説明する会社もあります。導入事例では、ダブルチェックを含む作業時間が約半分になったという声が公開されています。
公表値は各社で対象の部材と図面の条件が違うため、数字は参考値として読みます。導入の前に、自社の図面1件で手拾いの数量と比べ、差が出た部材と箇所を確認することが必要です。
よくある失敗と注意点
積算AIを始めるときには、思っていたのと違った、という場面も出てきます。導入の前に整理しておきたい点は次の3つです。
- 結果は図面によって変わります。普段使う図面を1件用意して試すことが大事です。
- 図面には取引先や施主の情報が含まれます。アップロードした図面をAIの学習に使うかどうかを、契約の前に確認すると安心です。
- AIが出した数量や見積案は、担当者が確認してから見積書に使います。誰が確認して確定するかを、導入の前に選任しておくとスムーズです。
9. 積算AIを導入するときの流れ
導入は一般に次の5段階です。クラウド型は申し込みから2週間以内に使い始められるものがあり、個別導入型には初期構築に2〜4か月ほどかかるものがあります。
- 対象の工種を整理する:時間がかかっている工種と図面の形式を書き出します。
- 過去の図面で試す:手で拾った数量が分かる図面を用意して、デモやトライアルで読ませます。
- 手拾いと突き合わせる:数量の差と、確認にかかった時間を記録します。
- 担当2〜3人で始める:実際の案件で使い、自社の拾い方のルールを登録します。
- 工種と人数を広げる:効果が出た工種から対象を増やします。
10. 積算AIに関するよくある質問
積算AIの費用はいくらですか
公開されている積算AIの月額は0円から40万円以上までです。月1万円前後のサービスから、初期費用が数百万円かかる個別導入型まであります。一覧は3章「積算AIの料金はいくらか」で紹介しています。
積算の仕事はAIでなくなりますか
積算AIが担うのは数量の拾いなど3つの作業で、確認と判断は積算の担当者が担います。公共工事では入札金額の内訳を記載した書類を提出するため、根拠を説明するのは担当者です。空いた時間は、単価の検討や難しい工種の積算に充てられます。
AIで建築積算をするにはどうすればいいですか
過去の図面を1件用意して、14日間の無料トライアルやデモで読ませるところから始められます。手で拾った数量と比べて差を確認します。進め方は9章「積算AIを導入するときの流れ」で解説しています。
図面をアップロードするだけで積算できますか
PDFをアップロードすれば数量の候補は出ますが、確定するのは担当者です。公開されている事例には、AIが判断した部屋設定を担当者が確認し、画面上で調整している例があります。単価を入れて見積書まで作るには、自社の単価表の登録が必要です。
AIで積算できる無料サービスはありますか
月0円の無料プランや14日間の無料トライアルを用意しているサービスがあります。無料の範囲は回数や案件数で決まっています。内容は3章「積算AIの料金はいくらか」の無料で試せるサービスにまとめました。
11. まとめ
積算AIは、数量拾い、見積書の処理、見積作成の3種類に分かれ、工種によって候補が変わります。公開されている料金は月0円から月40万円以上まで幅があり、精度は図面によって変わります。
普段使う図面を2〜3社のサービスで試し、手拾いの数量と比べましょう。自社の工種に合うサービスが見つかれば、見積に追われる時間を減らすことが目指せます。
